「“飲めない人”が主導権を握れるバー」──。アサヒビールと電通デジタルが共同で設立したスマドリが6月30日、渋谷センター街にそんなバーをオープンする。店名は「SUMADORI-BAR SHIBUYA」。飲めない人・飲まない人はそもそもバーに行かないのではないか? と思うかもしれないが、バー出店の背景には、アサヒが推進しているプロジェクト「スマートドリンキング」(以下、スマドリ)がある。
コロナ禍での飲食店の時短営業や酒類販売の自粛により、国内の酒類市場全体が大きく落ち込んだ。一方で、コロナ禍における健康意識の高まりや、飲酒機会の見直しにより、アルコール分3.5%以下の「ノンアルコール・微アルコール」市場がじわじわと拡大している。
アサヒビールの調査によれば、20〜60代約8000万人のうち約2000万人が日常的にお酒を嗜む人、月1回未満しか飲酒しないのが約6000万人、そのうちお酒を「飲めない人」「飲めるけど飲まない人」が約4000万人いることがわかったという。
言い換えれば、この約4000万人の「飲めない人」「飲めるけど飲まない人」は、アルコールメーカーにとって未開拓の新市場である。そこで同社は、20年12月から「スマドリ」という飲み方の多様性の提案を開始すると宣言。第一弾として、21年にアルコール0.5%のビールテイスト飲料「ビアリー」と、アルコール0.5%と3%のカクテルテイスト飲料「ハイボリー」を発売した。
「ビアリー」を含むビールテイスト飲料は前年比118.1%、「ハイボリー」を含むカクテルテイスト飲料は前年比126.7%で、約128万のユーザーを獲得したという。
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