マーケティング・シンカ論

紅茶市場は“マンネリ化”しているのに、なぜ「ミルクとけだすティーバッグ」は売れたのか予想の3倍(1/5 ページ)

» 2022年10月24日 08時28分 公開
[小林香織ITmedia]

 2021年8月に発売されてから、たびたびTwitterでバズっている日東紅茶の「ミルクとけだすティーバッグ」シリーズ。その名の通り、茶葉とクリーミングパウダーが入ったティーバッグをお湯にひたすと、ミルクが溶け出し、90秒で簡単にミルクティーが完成する。

「ミルクとけだすティーバッグ」(全5種類、希望小売価格は330円)が、Z世代から支持されている

 売れ行きも好調で、22年3月時点で予想売上の3倍を達成している。発売初期は供給が滞り、SNS上では「どこで買えるのか」とつぶやく声が多く聞かれた。SNS解析によれば、同製品をもっとも支持しているのは17〜24歳のZ世代だ。通常、ティーバッグ紅茶は40〜50代の女性がメインの購入者層となるが、それとはまったく異なる動きだった。

 社内では「売れない」と反対の声もあったというが、結果的にZ世代の心をつかむ異例のヒットとなっている。同製品の開発を担当した三井農林 企画本部 商品企画・マーケティング部 竹田一也部長に、開発背景と反響を聞いた。

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