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20万人のファンコミュニティから得た本音で商品が大ヒット アテニア流「インサイトを引き出す」運営

 化粧品会社のアテニアが2021年にリリースしたスキンケア製品「ドレススノー」。美白とエイジングの両方の効果を備えた画期的な製品で、同社のスキンケア製品売上向上に大きく貢献した。誕生したきっかけは、同社が運営する「アテニア ファンコミュニティ」から得たインサイトだったという。現在20万人以上のファンが集い、活発なコミュニケーションが展開されるファンコミュニティはどのように運営されているのか。またファンからインサイトを引き出すにはどうすれば良いのか。アテニアで事業戦略本部の本部長を務める春田康児氏に聞いた。

ファンコミュニティを使ったアテニア流ファンとの交流

——まず春田さんのご経歴とアテニアについて教えてください。

 2006年に新卒でファンケルグループに入社以来、直営通販の担当やマーケティング領域の職務を行ってきました。2022年からアテニアで、事業戦略本部の本部長を務めアテニアのマーケティング全般を統括しながら国内の戦略と海外の戦略を見ています。

株式会社アテニア 事業戦略本部 本部長 春田康児氏
株式会社アテニア 事業戦略本部 本部長 春田康児氏

 アテニアは1989年にファンケルグループのブランドとして誕生しました。「一流ブランドの品質を3分の1価格で提供すること」を掲げており、これがブランド創業時から続く根本的な考え方です。

——20万人以上のファンコミュニティサイト「アテニア ファンコミュニティ」を運営し、実際のユーザーの声やインサイトを商品開発に活かして成果を上げています。元々このファンコミュニティはどのような経緯でスタートしたのでしょうか。

 ファンコミュニティを立ち上げたのは2015年になります。当時はSNSマーケティングが流行り始めた時期であり、当社としても「Web広告は企業の一方的な発信に過ぎないのではないか」という課題が浮かび上がってきました。

 一方通行なWeb広告と異なり、SNSマーケティングは「共感型」と言えるような、様々な方の声が集まり、それが広まっていく仕組みがあります。そこで、私たち自身で「声が集まる起点となる場所を作り、そこから声が漏れ出して広まっていく仕組みを作れないか」と考え、ファンコミュニティプラットフォームを導入したというのが経緯になります。

同年代の「ちょっとした悩み」を共有できる場所として機能

——現在の利用状況はいかがですか。

 現在の会員数は約21万人。年齢構成は40代の方が4割、50代が3割、30代が2割、60代が1割で、アテニア全体のお客様構成とほぼ同じ傾向となっています。

 40代前後というのは、肌だけでなくライフスタイルも大きく変化する年代です。「私はこうだけどみんなはどう?」という悩みを共有したり、同年代の人とコミュニケーションを取りたいという思いを抱えている方も多いと思います。そのため、このファンコミュニティではちょっとした相談や思いを投げかけたり、それに対する共感のアクションができる環境になっています。

——コミュニティにはどのような機能があるのか概要を教えてください。

 主な機能は「おしゃべりカフェ」と「おためしサロン」の2つです。

 おしゃべりカフェは、私たちから「アテニアとの出会いのきっかけを皆さんで話してみませんか」といったようにお題を出すものと、ユーザーさんが自由にトピックを挙げて皆さんがそれに参加するものの2種類があります。企業とお客様の間だけではなく、お客様同士も自由に投稿してコミュニケーションを取っていることが特徴です。

 アテニアの商品と直接的には関係ないこともトピックとしてよく上がり、最近では「エコ活動、何をしていますか?」という話題や「朝食を取る派ですか、取らない派ですか」というトピックが話題になりました。

 もう1つのおためしサロンは、ご愛用商品や、お試しいただいた商品についてレビューしていただく機能です。お客様は気になる商品のレビューを確認できますし、企業側にとっても開発した製品がどのような評価をされていて改善点がどこにあるのかを見に行く場所になっています。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

土屋 典正(編集部)(ツチヤ ノリマサ)

法政大学法学部を卒業。新卒で人材派遣の会社にて営業職を経験し、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/02/01 07:00 https://markezine.jp/article/detail/41043

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