旅行大手HIS、上半期決算｢打つ手なし｣の売上高300億円減。市場回復は来春以降、国内旅行シフトへ

旅行大手エイチ・アイ・エス（HIS）が6月24日、2020年10月期の上半期（11月1日〜4月30日）決算を発表した。決算説明資料を使って、以下にそのポイントを端的にまとめた。

売上高は3444億円（前期差-334億円）、営業利益は14億円の赤字（前期差-104億円）、純利益も34億円の赤字（前期差-84億円）。深刻な数字が並んだ。

不振の要因はほぼ｢HIS本体の旅行事業｣。売上高で372億円減少、営業利益で78億円の減少。

事業規模が大きく、なおかつ新型コロナの影響が大きかったのも本体の旅行事業。

ハウステンボスグループも売上高で38億円減少、営業利益は31億円減少。約2週間の臨時休園とその後の需要減で、入場者数は前期比2割減の104万人に。

2020年10月期の連結業績予想を｢未定｣に。

資金残高は前期のほぼ半分まで減少。人件費、設備投資などを見直し、大手銀行からの融資枠（コミットメントライン）を330億円確保。

旅行市場の回復見通しについては、国連世界観光機関が発表している3つのシナリオをおさらいするにとどまった。

回復戦略として、海外事業のリソースを国内旅行事業にシフトすると明言。

国内旅行の売り上げを1.5倍にするという。

｢変なホテル｣などホテル事業は｢5月と比較し増加傾向｣で、本格的に戻るのは｢来春を想定｣。

ちなみに、6月22日に西新宿から神谷町へと本社を｢移転拡張｣済み。結果論だが、厳しいタイミングとなった。

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（文・川村力）