バドワイザー、37年ぶりにスーパーボウルCMなし…その資金をワクチン啓蒙の公共広告に寄付

バドワイザー・クライズデール。

バドワイザーのCMにも登場するクライズデール(馬の品種)。

REUTERS/Sarah Conard

  • 37年ぶりに、スーパーボウルのCMにバドワイザーが登場しない。
  • その代わりに、COVID-19のワクチン普及のために資金を使うという。
  • バドワイザーのほか、コカ・コーラ、アウディなどもCMを放映しない予定だ。

バドワイザー(Budweiser)は1983年からの歴史で初めて、2月7日に行われるスーパーボウル(Super Bowl)の試合中にCMを放映しない。

バドワイザーを製造するアンハイザー・ブッシュ(Anheuser-Busch)は、カンザスシティ・チーフス(Kansas City Chiefs)とタンパベイ・バッカニアーズ(Tampa Bay Buccaneers)が対戦するスーパーボウルにCMを流さず、その広告費をアメリカ広告協議会とCOVIDコラボレーティブによるCOVID-19のワクチン接種を呼びかける啓発キャンペーンに寄付するという声明を発表した

バドワイザーは試合中のスポットCMは打たないが、試合の週にはCMを放映する。1月25日にはパンデミック中の勇敢なストーリーを描く90秒のCM「Bigger Picture」を、インターネット上で公開した。

「かつてないほど困難に思えた1年を振り返ると、我々に希望をもたらした多くの行動を見つけることができるだろう」と、バドワイザーはこの広告で語っている。

このビッグイベントに広告を出稿をしない老舗ブランドは、バドワイザーだけではない。ペプシコ(PepsiCo)は「ペプシ」ブランドの商品の広告は行わず、ハーフタイム・ショーのスポンサーとして後援する。だがAP通信によると、マウンテンデュー(Mountain Dew)とフリトレー(Frito-Lay)の商品CMは放映されるという。APによると、コカ・コーラ(Coca-Cola)、アウディ(Audi)、Avocados from MexicoなどもスポットCMを放映しない。

バドワイザーなどの広告主がいないことは、今年のスーパーボウルのいつもと違う点の一つだ。その他、フロリダ州タンパにあるレイモンド・ジェームス・スタジアムの収容人数が6万5890人なのに対して、入場できる観客は2万2000人に限定されている。そして、スーパーボウルを盛り上げるプレイベントはすべてオンラインでの開催あるいは中止になり、両チームの記者会見は2月1日のメディアナイトを含めてオンラインで行われるとワシントン・ポストが報じた

バドワイザーは、人々が安全と以前の生活が取り戻せるように、年間を通してCOVID-19のワクチン啓発を支援していくと述べた。

アメリカ国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)所長は先日、夏の終わりまでに70%から85%のアメリカ人がワクチンを接種した場合、秋には通常の生活に戻れる可能性があると予測した。モデルナ(Moderna)とファイザー(Pfizer)・バイオンテック(BioNtech)の2つのCOVID-19ワクチンは、2020年12月中旬にアメリカ食品医薬品局(FDA)から使用許可を受けた。アメリカ疾病対策予防センター(CDC)によると、それ以来、1850万人が、2回接種のうちの少なくとも1回を受けているという。

[原文:Budweiser won't run a commercial during the Super Bowl for the first time in 37 years. Instead, it will channel money into boosting vaccine awareness.

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

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