「ノン加工」が好まれる。コロナで変化した消費者意識:eMarketerレポート

インフルエンサー

(写真はイメージです)

Getty Images/Maskot

  • この記事はインサイダー・インテリジェンスによる調査レポート「コロナ時代のインフルエンサー・マーケティング(Influencer Marketing in the Age of COVID-19)」のプレビュー版。レポート完全版(有料)はこちらから

上質やこだわり派のインフルエンサーたちはもはや過去のもの……と言えるかどうかは、まだ分からない。だが、最も洗練されたコンテンツを繰り出してきたクリエイターたちが苦戦しているのは確かだ。

※この記事は2020年11月20日に公開した記事を一部編集して再掲載しています。

キラキラした憧れの世界よりも、役立つ情報が欲しい

アンケート結果

「コロナウイルスの感染拡大以降、ソーシャルメディアを見る頻度が増えた」人が多い(ハリス世論調査によるアンケート:2020年5月発表)。

Business Insider Intelligence / eMarketer

今の流行は、加工や編集がされていない、リアルな感じのするコンテンツだ。これは外出制限やソーシャルディスタンスなどの制作側の事情もあるが、視聴者の好みの変化も影響している。

これまでインフルエンサーによる投稿は、FOMO(fear of missing out:取り残される不安)を煽るようなものが主流だった。しかし現在はこうしたコンテンツよりも、エンタメ性のあるものや、日常生活に役立つ情報がよく見られている。

これまで通りの手法が通用しなくなったのは企業も同じだ。休業や閉鎖などの事業縮小で打てる広告の数も減り、予算も削減されている。そんななか、企業は凝った広告を制作する代わりに、インフルエンサーと組んで低予算で早く、効率的に宣伝をしたいと考えている。

シューズブランドのスティーブ・マデン(Steve Madden)の2020年7月のインスタグラム・キャンペーンもその一例。ファッションやライフスタイル情報を発信する人気ブロガー@naturalandchicをはじめとするインフルエンサーに自社の靴を履いた画像を投稿してもらい、それをブランドコンテンツ広告として配信している。

「新しい生活様式」のなかで共感を呼ぶ表現とは

アンケート結果2

マーケッターが選ぶインフルエンサー・コンテンツの利用方法を示したグラフ。多い順に「ペイドソーシャル」「ブランドによるオーガニックソーシャル」「ウェブサイト」「メルマガ」「プログラマティック広告」「ランディングページ」。

Business Insider Intelligence / eMarketer

インフルエンサーの投稿を利用する手段としては、ブランドのソーシャル・アカウントを使うのが最も自然だが、オウンドメディアなど他の媒体を介して広める方法もある。

例えば、女優のエヴァ・ロンゴリアを起用したロレアル パリのヘアカラー「エクセランス クリームタイプ(Excellence Crème:9ドル)」のキャンペーン。これは、「未加工」かつ「日常生活に役立つ」という点でも最近の潮流に合致している。長くロレアルのアンバサダーを務めてきたロンゴリアが、自宅のバスルームで伸びてきた白髪を染める様子を自らスマホで撮影した動画が話題を呼んだ。この動画はその後、全国放映のテレビ広告にも使われている。

この記事の執筆時点では外出制限は緩和され、インフルエンサーたちは活動の自由を取り戻しつつある。だが、諸外国のレストランや観光地の開業時間はまだ制限付きで、渡航規制やソーシャルディスタンスもあり、トラベル分野のクリエイターへの影響は今も深刻だ。インフルエンサーやブランドは、臨機応変な対応が求められている。

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[原文:Amid the pandemic, influencers and brands are getting real

(翻訳・野澤朋代)

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