デジタルエージェンシーのスパイスボックスは、SNS やソーシャルメディアを通じて認知・好意形成を⾏う「エンゲージメント・コミュニケーション」を起点とした「学生の注目企業2020」の調査結果を公開した。同社のソーシャルリスニングルーツ「THINK」を使用し、大学生の就職活動における情報収集で活用されている上位8メディアを対象に、企業が発信した情報が、若年層にどれだけSNS上で話題にされているのかを可視化している。
※ENG量(エンゲージメント量)<br />
Twitter・Facebookにおける「いいね」「リツイート」「シェア」「コメント」などの総アクション数。
※ENG量(エンゲージメント量)
Twitter・Facebookにおける「いいね」「リツイート」「シェア」「コメント」などの総アクション数。
2020年は新型コロナウイルスの影響によって、企業の採用活動が大きな変革を迎えるなか、学生が企業を選択する基準も変化していると考えられている。採用手法や時期が一定ではなくなり、メディアの記事コンテンツに寄せられたコメントやリプライからも、業界の将来性や、不安定な時代でも挑戦できる積極性を求める傾向が示唆された。

将来性について企業が注目される指標となっているのが、新型コロナウイルスへの対策・施策について独自の視点で語るコンテンツを発信していること。ヤフーやオリィ研究所、楽天では、自社ツールや商品による働き方改革や社会貢献について言及したコンテンツが高いエンゲージメント量を獲得。アソビューでは、社長自らが綴った緊急事態についてのnoteが注目を集めた。

積極性という点ではエンタメ業界に注目が集まっており、いちから、カバーなど、コンピュータグラフィックスのキャラクターを用いたバーチャルYouTuber(Vtuber)に関連した職業の募集要項記事や、コンテンツ監修に関わる学生インターン募集に関する記事がエンゲージメントを獲得。「好きなことを仕事にしよう」という関連企業のメッセージ発信が共感を呼び、経済的に不安定な状況といわれるなかでも、趣味志向にあう分野で仕事をしたいと考える若年層が顕在化していることが伺える。

また、日本電気(NEC)やパナソニックは大手企業のイメージに対し、データサイエンスなどの最新テクノロジーや、変革への挑戦についてのコンテンツに関心が寄せられ、大手企業の挑戦意識が好意的に受け取られている例といえそうだ。